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それで出世が遅れ(ry

8 Faces Issue #7 と Helvetica

もう昨年末の話になるのですが、11月頃?に発行された 8 Faces Issue #7 で最初にインタビュー記事が掲載されている Michael Bierut 氏の Helvetica に関する発言の中で、最後に氏が選んだ8つのタイプフェイスのうちの1つ、Helvetica の部分に書かれているコメントが以下の通りとなるのですが、少しおもしろいなと思うところがありまして。

Because I'm in the documentary about it, people tend to associate me with Helvetica. YET I'VE ALWAYS TRIED TO RESIST IT, WHICH IS DIFFICULT. Like others, I've tried to improve it, but that's difficult too. For our wayfinding for the New York City Department of Transportation, we changed all the square dots to round, which I enjoyed. (p.16)

Michael Bierut 氏と Helvetica と言えば、まさに Helvetica というタイトルのドキュメンタリー映画に出演し非常に印象的な以下の発言をしていましたが、このドキュメンタリー映画には氏以外にも様々なタイプデザイナーの方が出演されており、それぞれが各々の観点で Helvetica について話していたことがこのドキュメンタリー映画の大きな特徴と言えると思います(今更な話ではありますが)。

一方で "people tend to associate me with Helvetica." というようなことを他のタイプデザイナーが言っているを聞いた/見たことは寡聞にしてありません(どなたかそういう発言をされているソースとかお持ちでしょうか)。

"Can you imagine how bracing and thrilling that was? That must have felt like you had crawled through a desert with your mouth caked with filthy dust, and then someone offers you a clear, refreshing distilled icy glass of water … it must have just been fantastic."


Helvetica - PERIOD. - YouTube

Issue #7 が発行された 2013 年当時 Helvetica に関して話題になっていたのは iOS 7 が Helvetica Neue Ultra Light を採用したとかそういうことぐらいで、今更と言っては語弊がありますが Helvetica について現在進行形で Helvetica があふれる世の中に抵抗してみたとか Helvetica をよりよくしようとしたというようなことを語るタイプデザイナーをあまり見かけない気がして、逆に新鮮な感じでした。そういう所がおもしろかったよ、という話です。

もちろん iOS 7 で Helvetica Neue Ultra Light を採用するのは適切ではなかったというような話はありましたが、それはタイプフェイスそのものの話ではないので…。

あと、どうでもいいことなのですが Helvetica の特徴について、おそらく Wikipedia からの引用だと思われるのですが”簡素な”という形容詞を使われる方をたまに見かけます。しかしながら Helvetica を表すのに簡素というのはあまり適切ではないように思います。感覚の問題と言ってしまえばそうかもしれませんが、いったいどの辺りが簡素なのか、じゃあ例えば Frutiger はどうなのか。。。