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それで出世が遅れ(ry

Exchange 2013 CU6 以降の Workload Management の扱い方

先日、これと似たような出来事にでくわしまして。

FIX: Mailbox migration from Exchange Server 2007 to Exchange Server 2013 is very slow

トラブルシューティング等紆余曲折あった中で上の KB と Workload Management の話が出てきて、そういえば Workload Management のポリシーを管理する PowerShell のコマンドがあったんじゃなかったかなと、調べてみたところ…

The -ResourcePolicy, -WorkloadManagementPolicy and *-WorkloadPolicy system workload management cmdlets have been deprecated. System workload management settings should be customized only under the direction of Microsoft Customer Service and Support. ―Exchange workload management

いつの間にかなくなっていました。実際には CU6 からなくなっていたようで、つまり2年以上前になくなっていた(現在は CU14)わけなのでした。普段使うようなコマンドじゃないので全然気が付きませんでした。

じゃあ、CU6 以降、Workload Management (ポリシー)はどうやって管理するのかというと、上の引用にある通り Microsoft サポートが状況を鑑みて必要と判断できるときに方法をお伝えします、という感じでしょうか。ところが話にはもう少し続きがあって、ちょうど CU6 以降から追加されたのが次の PowerShell コマンドなのですが、

  • Get-SettingOverride
  • New-SettingOverride
  • Remove-SettingOverride
  • Set-SettingOverride

冒頭でリンクを張った KB 内にも記載があるように New-SettingOverride-Component パラメーターに WorkloadManagement という引数がありまして、Workload Management の既定の設定内容を変更できるようになっています(もちろん引数はほかにもあります)。

しかし、これらのコマンドで Get-Help してみると、出力された SYNOPSIS 欄(日本語だと概要?)に Microsoft のサポートから指示があった場合に使ってください、という旨の記載があります。実際 Exchange 側で設けている閾値を大きく変更する(または無効化する)ことにもなりますので、用法・用量を守って正しくお使いください。

ちなみに Microsoft は上述の方針を変えるつもりはないようで、公式にこれらのコマンドのリファレンスになるウェブサイトはリリースから2年以上たった今でも見当たりません。もっとも CU11 以降は閾値がより適正な値(十分に大きい、つまり閾値ボトルネックにならないレベルに大きい閾値)に変更されたようで、Workload Management のポリシーを規定値から変更する必要というかそんな機会はほとんどやってこなさそうではありますが、掘るといろいろ出てきそうな部分でもあります。